【陶真が小5生のとき】
4月ー国公立中高一貫校の見学ツア―があり、塾のお友だちと参加しました。
2度の転塾をし、新しい塾でのクラスメイトとは、馴染めているのだろうかといった私の心配をよそに、良い先生と気の合う同級生に恵まれたようすに、ホッと胸をなでおろしました。
このころには、習い事(サッカ―)を一旦中止することにし、あとは受験だけに気持ちを集中して、成績が上がってくれることを切に願いました。
6月ー大手塾主催の模試、漢字検定を、塾のすすめで受検、そして塾の3者面談がありました。
7月、8月ー20日間の夏期講習がありました。
9月、10月ー国公立中高一貫校の文化祭をはじめ、2校の文化祭を訪ねることで、志望校を決めるのに「臨場感」が持てるようにと、家族4人で参加しました。
11月ー大手塾主催の模試、通っている塾主催のオープン模試を受けました。
12月ー塾の3者面談と4日間の冬期講習がありました。
1月ー塾主催の国公立一貫校の模試を受けました。
2月ー塾の3者面談がありました。
陶真に、少しずつではありましたが、中学受験への意欲が感じられるようになりました。「勉強に取りくむ習慣」を身につけることが、将来にわたり、とくに大切だと知ることになりました。
【陶真が小6生のとき】
4月ー全国規模の合不合テストを受けました。
5月ー塾の個人面談、オープン模試、陶真の志望校候補の1校の説明会へ行きました。
塾での陶真は、優しく愛情が感じられる担任の先生にも恵まれ、自分から進んで通えてはいるものの、受験まで半年とせまった今となっても、成績がさほど伸びていかないことがとても気がかりでした。
私は夫に「このまま成績上がらんままやったら、受験やめなあかんかな?」というと、「そんなことしたら陶真がかわいそうや。あいつ私立へ行く気になってんねんぞ」と、私の不安な気持ちをかき消すほどの強い口調で夫はいいました。
「国公立中高一貫校を受験するクラス」は、2クラスのあいだで、定期におこなうテストの結果により、クラス替えをしていましたが、陶真は、思うように上のクラスに上がれずにいました。
そんな陶真を心配した夫と私は、日ごろから親身になっていただいている担任の先生に相談することにしました。
その日、担任の先生を待っていると、背後から「陶真くんは高校受験に切り替えてはどうですか?」と塾長の突然の提案がありました。
それって選択肢のひとつだということなのか?それともそれしか道はないと?
そのひとことで、頭を打ちのめされてしまった私は、その場で、それ以降何も言えなくなりました。
陶真が中学受験に向いているのかといえば、違うかもしれないということが、私のどこかにありました。いつか成績が上がることを願い続けて、とうとう今になっていました。
担任の先生ではなく、言いにくいその言葉を、敢えて塾長が私たちに、きっぱりと伝えたのは、今までたくさんの塾生をみてきた塾長の責任感からの「心づかい」であったことを、あとになって理解することになりました。
確かに中学受験に向いている小学生は存在していました。
残念ながら陶真はそうではありませんが、決して陶真が悪いわけでもありませんでした。
ただそのときは、私の中でそのことが受け入れられず、その日の遅くに塾へ電話を入れ、私たちの戸惑う気持ちを話すことにしました。
夫が言うように、今がどうあれ、これまで受験に向き合ってきた陶真に、今さら受験をやめさせたとしたら、きっともっと陶真を傷つけてしまう気がしました。
電話に出た先生は、陶真の国語を担当している先生でした。
私たちとしては陶真に中学受験を続けさせたい気持ちであると伝えると、先生は「それならぜひ続けさせてあげてください」と、そして陶真へのできる限りの指導を、塾全体で、今までどおり引き受けていただけることになりました。
6月ー陶真の志望校候補の2校めのオープンスクールがありました。
7月ー夏期講習がありました。
陶真は、担任の先生とも話し合いを重ねたうえで、個別指導の講習を受けることにしました。
10月、11月ーオープン模試、合不合テスト、そして陶真の志望校2校のプレテストと1校の面談と受けました。
志望校の過去問題集を解くと同時に、プレテストは、おもに中堅校で開催していることが多く、無料で個別懇談とともに受けることで、いきなりの本試験で過度に緊張しないためでもありました。
12月ー合不合テスト、陶真の志望校の1校の懇談会がありました。
そして1月初旬の一週間前まで、受験最後の冬期講習がありました。
ここまでくれば、あとはどうあれ、陶真の「今まで培ってきた勉強力」と「神頼みの運」を信じることにしました。
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